米国ポテト産業

米国のポテト生産者のプロフィール

実は、米国のポテト農場の多くが家族経営であることをご存じでしょうか。カリフォルニアからカロライナまで、皆様と同じような家族が日々ポテトを大切に育み、市場にお届けできるよう一生懸命に取り組んでいます。皆様やご家族に食べていただくことを誇りに感じている全米の生産者をご紹介します。

Don Thibodeau

メイン州フライバーグ出身のDonさんは5代目のポテト生産者です。彼の家族農場であるGreen Thumb Farms, Inc.は、メイン州西部のサコリバーバレーにある2,200エーカーの豊かな土壌で、ポテト、芝生、乾燥豆、トウモロコシを栽培しており、メイン州の緑地と農業遺産の保全に取り組んでいます。農業経営の発展と成長の機会を得て、家族経営を続けようという気持ちになりました。「独立の機会が得られ、起業する気持ちが芽生えました」とDonさんは語ります。

彼は、Green Thumb Farmsが業界の需要とともに変化してこられたことに誇りを感じています。Green Thumb Farmsは、規模と技術だけでなく、製品の多様性においても成長を続けています。2005年には、DonとLee兄弟が共同で立ち上げたMaine Distilleriesが、新しいベンチャー事業としてGreen Thumb Farmsのポテトで作る「Cold River Vodka」を発売しました。

DonさんとLeeさんは、ポテトからウォッカを蒸留することが米国で1920年代に禁止される前に、Donさんの父親と彼の叔父がその事業を行っていたことを聞いていました。このベンチャー事業はその話から生まれたものです。今では、Maine Distilleriesは伝統的なウォッカだけでなく、メイン産の野生のブルーベリーとポテトで作るブルーベリーフレーバーの「Cold River Vodka」や「Cold River Gin」も生産しています。彼らは、「Cold River Vodka」は、「地中からグラスまで」のウォッカ生産を行う、世界に一つだけの家族経営事業であると考えています。

Green Thumb Farmsは、長年のうちに、数多くの変化と夢にも思わなかったほどの成長を経験してきました。農場は家族で所有していますが、Donさんは次のように語っています。「私たちの成功は、忠実な従業員たちの懸命な努力とひたむきさに支えられています。農業はフライバーグの地域経済の重要な部分を占めており、私たちはこの素晴らしい小さなコミュニティとメイン州の農業遺産を存続させるために自らの責任を果たすことに大きな誇りを持っています。」

Grower Profile --- Don Thibodeau

DAVE MASSER

Masser家は8世代に渡ってポテトを栽培しています。Daveさんは、伝統を維持し、ペンシルバニア州サクラメントでSterman Masser 農場を継ぎポテト生産者となりました。子供の頃から父親が働く姿をみて育ったDaveさん。父親の作物の栽培をする満足感や農家経営への情熱に刺激を受けました。

「私の両親もポテト農場を営む家庭で育ったので、ポテト栽培は私のDNAにしっかりと組み込まれています。」とDaveさんは語ります。「二人の祖父もポテト生産者で、幼少期に一緒に過ごすことができてよかったです。今日こうしているのも彼らのおかげです。」

彼の内にあるポテト栽培への受け継がれた情熱に加えて、Daveさんは、米国東部でのポテト栽培の困難さも気に入っているとのこと。「米国東部の地形や岩や気候はポテト栽培には困難さを伴います。そうした条件で、質の良い収穫物を作ることにはやりがいを感じます。」もちろん、成功するために、全ての生産者に必要なのは、素晴らしい人々との連携とチームワークです。Daveさんは特に彼のチームを誇りに思っています。「彼らは成長するための礎石であり、成功のためのカギを握る人たちです。人々に健康的で安全で栄養豊富な野菜を食べてもらうという願いとこのビジネスへの情熱を分け合っています。」

Grower Profile --- DAVE MASSER

RUSS WYSOCKI

Russet Potato Exchange(RPE)は、1960年代に設立されました。Wysocki兄弟による創業以来、RPEは家族経営を続けており、Healthy Grown®生産者及び出荷者として優れた水準を維持しています(Healthy Grown出荷者は毎年認定が必要)。

なぜ持続可能性の取り組みという追加の業務に尽力しているのでしょうか。そのような問いにRussさんは、「私たちには土地に対する責務があります。土地や業界のために良いことをするのは、私たちに与えられたチャンスなのです。」と語ります。実際に、RussさんはHealthy Grownで良いことを実現できる可能性があると感じています。「持続可能な農業は市場における素晴らしいニッチ産業であり、ウィスコンシン州のイメージを向上させます。私たちは他の州にも影響を与え、他の州が後に続いてくれることを期待しています。」

Russさんは、Healthy Grownが生産者として、自身にどのような影響をもたらしたかを問われ、「環境と農業がかかえる問題のギャップが埋まりました。」と答えています。

Grower Profile --- RUSS WYSOCKI

NICK SOMERS

Nickさんはポテト生産者の家系の3代目ですが、今では家族で農業に携わるのは1人だけになりました。彼は妻と、ウィスコンシン州で400エーカーのHealthy Grownポテト農場を共同経営しています。

彼はHealthy Grownの当初からのメンバーであり、持続可能な栽培プログラムの発展を見守ってきました。Nickさんは次のように話しています。「長い道のりでした。それまでと違ったやり方で、持続可能な方法で進めたいと決心してからは、私たちを支援してくれる人々を探さなければなりませんでした。最初にウィスコンシン大学の研究者に相談し、その後の状況で自然保護基金に協力を仰ぐことになりました。私たちにとって重要だったのは、生産者が毎年満たすことを求められる絶対的な持続可能性基準を持つことだったため、手続きには予定していたよりも長く18カ月を要しましたが、その価値はありました。

私たちは『持続可能性』という課題に挑み、それを達成することができました。もう10年以上も持続可能性を維持しています。

それが結果的に環境にやさしい取り組みにつながっているのです。一日の重労働が終わると、自然の中に出かけて周囲の野生生物を眺めています。自然の大地で育った私たちには、自然の状態を維持する責任があると思うのです。」

Grower Profile --- NICK SOMERS

JUSTIN ISEHWOOD

ウィスコンシン州のHealthy Grownのポテト生産者のJustinさんは、経験豊かなライターでもあります。彼は、そのユニークな才能が買われて、全米のラジオのクイズ番組Michael Feldman’s WhadYa Know? でインタビューされたこともあります。

彼は話すのが上手で、Healthy Grownについて重要なことや生産者として農地や人への責任について尋ねたところ、説得力ある答えが返ってきました。「農地に関しては常に倫理的な責任があります。農地と森林の経済のバランスを探し求めるための公正さ、それは、農地を健全にそして生産性の高い状態で維持するという名誉でもあります。」

この責任は家族全体で分かちあっています。彼の家系は、1832年からウィスコンシン州で農業に携わっており、現在のIsherwood農場は1852年から経営しています。Justinさんは、二人の兄弟、息子とその妻と子供たちと農業を行っています。Healthy Grownには、その設立時からメンバーに加わりました。「農業は家族の伝統です。農作業は家族をつなぎ、土地と一体になれるのです。」とJustinさんは語ります。

Isherwoodsは、Healthy Grownのエコシステム保全に尽力しています。Justinさんによると、「全ての生産者は、生まれつき土地のアイデンティティーを守るという意思があり、それは、ひとつの力であり神秘的でもあります。」とのこと。彼は、ポテトやポテト手入れについて執筆していないときは、ブエナビスタマーシュの近くにある、ウィスコンシン州プロバーの彼の家族の農場で、楓の幹をコツコツ叩きながら散歩しているそうです。

Grower Profile --- JUSTIN ISEHWOOD

STEVE & ANDY DIERCKS

Coloma Farmsは、3代目のSteveさんと4代目のAndyさんが経営する2,700エーカーの持続可能な農場であり、イノベーションと伝統の研究の場となっています。Steveさんは、ウィスコンシン州アンティゴ近辺のポテト農場で育ちました。その後、父親のRobertさんと共にウィスコンシン州コロマのCentral Sands Plains地域に引っ越しました。そこで二人はウィスコンシン大学のポテト研究者との取り組みにおいて素晴らしい関係を築き、Healthy Grownの開発という最初の成果につながりました。SteveさんとAndyさんは当初から参加しており、彼らの農場で行われた研究の多くはHealthy Grown基準の構築に不可欠なものでした。

Andyさんは、「持続可能な農業の課題は、環境への影響を最小限に抑えながら品質が高く収穫量の多い作物を栽培することです。ウィスコンシン大学のポテトチームとの協力で得た経験は、これまでとは違うやり方が可能であり、優れたポテトを生産するだけではなく、より良い方法でそれを実現できることを私たちに教えてくれました。」と話しています。

さらにSteveさんは、「私たちは農場でのあらゆる段階に疑問を抱くようにしています。ウィスコンシン大学の研究チームと協力することで、自分たちの従来の考え方を真剣に見つめ直すようになりました。それは全員にとってメリットがありました。」と言っています。

Andyさんは、「ウィスコンシン州は環境にやさしいポテトの産地であり、私たちはそのことを大変誇りに思います。」と語ります。

Grower Profile --- STEVE & ANDY DIERCKS

RICHARD & ROD GUMZ

RichardさんとRodさん兄弟は1994年にGumz Muck Farms, LLCを設立した、Gumz家の農場の4代目です。レッドポテトと玉ねぎの小売り向け栽培、貯蔵、梱包を手掛けています。また、ウィスコンシン州のマーケット、コロンビア、ソークの3つの郡における6,000エーカーの農地でレッドポテト、ニンジン、飼料用トウモロコシ、大豆、ミントを栽培しています。

Gumz兄弟の土地の大半は腐葉土壌であるため、栽培する作物は腐葉土壌に適したものです。Gumz兄弟はHealthy Grownポテトの生産者であり、土地の管理者として害虫管理の統合技術を農場で自信を持って活用しながら、責任ある農業を実践しています。

Grower Profile --- RICHARD & ROD GUMZ

MARTY MYERS

Myers家は5世代にわたり「オレゴン州のホーム」と呼ばれてきました。学校教師の息子であるMartyさんが農業に従事するなどありそうもないことでした。しかし、米国最大のポテト生産者の一人であるRon Offutt氏の影響を受け、彼はコロンビア川台地のポートランドから150マイルほど東側にあるオレゴン州ボードマンで、Threemile Canyon Farms, LLCを創業しました。

Threemile Canyon Farmsは、大農場が環境にやさしくなり得ることを示す実用的な手本であると、Martyさんは話します。Threemile Canyon Farmsは10年以上にわたって持続可能な栽培方法のリーダーとして認められており、将来を見据えた環境にやさしい農業が、ビジネスと環境の双方にとってメリットがあり得ることを示しています。Threemile Canyon Farmsは、ポテトに加え、乳製品と有機野菜も生産しています。

最新技術を活用したり旧来の自然処理法を用いたりしながら最良の持続可能な農業技術を実践することによって、Threemile Canyon Farmsは農作業のモデルとなる実用的な実験の場を提供しています。さらに、街や人口密集地から遠く離れた場所であるため、輪作、野生生物の緩衝帯、酪農廃棄物の堆肥化のための広大な土地があります。先進技術を活用して全作物と畜牛のトレーサビリティを実現し、お客様が期待する品質を確保しています。オレゴン州を化石燃料への依存低減におけるリーダーとなるべく、Threemile Canyon Farmsは肥料加工の過程で発電する酪農消化槽などの革新的かつ再生可能なエネルギープロジェクトと連携しています。農場では灌漑などの農作業に使用する電力の30%を発電しています。

Martyさんには、妻のAnneさんと、Jasonさん、Caseyさん、Nickさん、Ericさんという4人の息子がいます。ゴルフやサイクリングなどのスポーツやイベントが好きですが、オレゴン在住の4人の孫と共に過ごすことを特に大切にしています。

Grower Profile --- MARTY MYERS

BRETT JENSEN

ポテト農場で育ったBrettさんは、これが自分の天職だと自覚していました。3代目の生産者で、ポテトの栽培技法は父親から学びました。アイダホ州レックスバーグのリックス・カレッジとユタ州立大学を卒業後、1994年にゼロから自分の事業を始めました。現在は、アイダホフォールズでBrett Jensen Farmsを経営し、生鮮市場向けのラセット・バーバンク種とチップス加工用のレンジャー・ラセット種を栽培しています。また、彼は生鮮パッキング倉庫も一部所有していて、小麦、大麦モルト、アルファルファ、トウモロコシも栽培しています。

Brettさんには、妻のKristyさんと、Jaceさん、Ryleeさん、Braydenさん、Karsonさん、Bellaさんという5人の子供がいます。狩りや釣り、Kristyさんとの旅行が好きで、もちろん子供たちのバスケットボール、野球、サッカーのチームにも参加しています。

好きな季節は秋で、「収穫と、ポテトの貯蔵庫をいっぱいにすることが大好きです」と語っています。

Grower Profile --- BRETT JENSEN

JUSTIN DAGEN

ミネソタ州カルスタッドのJustin Dagenさんは農業を営む家系の5代目です。彼の家族は129年間にわたり、カナダとの国境から55マイルほど南にあるスプリングブルック・タウンシップで農場を経営してきました。彼のいわゆる「修行の旅」は35年も続いていますが、妻のDonnaさんと4人の子供たちからの応援とサポートにより、今もその旅を楽しんでいます。

Justinさんの農場では75年以上もの間、認定種イモの栽培が主流です。父親はJustinさんが17歳のときに他界したため、彼は父親の足跡をたどることを選択し、1977年に農場経営を引き継ぎました。「いくらか不安はありました。」とJustinさんは語ります。

彼は、遠くの人にも近くの人にも栄養を提供できるポテト生産者の仕事に喜びを感じています。生産者がポテトの品質の向上と環境スチュワードシップの実現にどれほど真剣に取り組んでいるかを知れば、多くの人が驚くだろうと彼は考えています。「私たちはおいしいポテトを国じゅうの人々に同時に提供できることをうれしく思っています。」

Grower Profile --- JUSTIN DAGEN

REX CALLOWAY

ポテト生産はRex Callowayさんにとって、まさに家族の伝統です。彼と妻のMelvaさんは3代目のポテト生産者として、ワシントン州クインシーの市街でCalloway Northwest LLCを経営しています。Rexさんの祖父は1951年に、オクラホマからコロンビア川台地に家族で引っ越しました。160エーカーだったささやかな家族農場は、今では3,000エーカーの農場に成長しました。

彼らの土地への愛情、環境スチュワードシップへの取り組み、世界中に食べ物を提供するための食品生産への情熱は、2人の息子に受け継がれています。外に出て、作物の植え付けから収穫まで目を配り、食品として完成するのを見届けるという流れこそが、Rexさんにとって農業の醍醐味です。

Grower Profile --- REX CALLOWAY

KEN BURBACK

コロラド州の中心の小さな町で、Ken Burbackさんは家族の伝統である農業を続け、Bigelow Associated Farmsを経営しています。Kenさんはドイツ系の4代目の生産者です。彼の曽祖父は1901に、ロシアから米国に移住しました。Kenさんは一時期、祖先の住んでいた場所に程近いウクライナに住み、働いた経験があります。

Kenさんは1980年にポテトの栽培を始めました。彼は「ポテトの栽培は楽しいものです。この業界はとても面白く、世界中に素晴らしい人々が大勢います。私はポテト業界の新しい技術やイノベーションを楽しんでいます。米国のポテト関係者は最高です。」と語ります。

彼の家族は常に農業に携わってきました。生産者になった理由を聞かれて、Kenさんは、「私の血がそうさせたのです。」と答えます。彼は土とのつながりを感じています。「神は常に人が土や作物とつながるように意図しており、その世話をすることが神を賛美することになるのです。私はその一部を担い、ポテト生産者であることを大変誇りに思っています。」

Grower Profile --- KEN BURBACK

ARNOLD MACK

フロリダ州レイク・ウェールズのArnold Mackさんは、若くして農業を始めました。家族がアラバマに小さな農場を持っており、自分たちの店や自宅用の食料を栽培していました。このことは、Arnoldさんが1967年にスイカの生産を始めるきっかけとなりました。1989年、彼はわずか300エーカーの土地でポテトの生産を始めました。今日では彼の農場は2,100エーカーに成長し、拡大を続けています。Arnoldさんはビジネスのあらゆる段階に積極的に関与し、妻のBrendaさんと、ChandlerさんとJohn Davidさんという2人の息子と共に、日々新しい学びを得ることを楽しんでいます。

Mack Farmsの特徴は、国内の他の場所では凍えるような寒さが続く時期に、毎年米国初の新鮮なポテトが収穫できることです。彼らは、身が赤・白・黄色の新種ポテトを栽培しています。さらにこの3年間は、フィンガリングポテトも栽培しています。

Arnoldさんは農業のやりがいと予測不能な面を楽しんでいます。「何事もしばらくは安定して進みますが、突然の出来事でより良くなったり、悪くなったりもします。」

Grower Profile --- ARNOLD MACK

ERIC HALVERSON

Ericさんは車の運転ができる年齢になるとすぐに、家族の農場を手伝い始めました。ノースダコタ州立大学に進学し、農学及びバイオシステム工学の学位を取得しました。正式に農業を始めたのは1999年で、現在は彼の家族農場であるBlack Goldの技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデントを務めています。

世代を超えて紡がれてきたBlack Goldの物語の始まりは、Ericさんの曽祖父A. E. Halversonさんが1928年に、ノースダコタ州フォレスト・リバーの自宅敷地でポテトの栽培を始めたことにさかのぼります。次の継承者だった祖父のJackさんは農場をさらに発展させ、改善しました。その後、Ericさんの父であり現職の代表取締役兼CEOであるGreggさんは事業をノースダコタ州の外にも拡大し、大幅な成長と前進をもたらしました。

現在はノースダコタに加え、テキサス、フロリダ、ジョージア、アーカンソー、ミズーリ、ノースカロライナ、メリーランド、インディアナ、ミシガン、ルイジアナにも家族の農場があります。主流作物はチップス加工用ポテトですが、種イモや、レッド、ホワイト、フィンガリング、イエローなど生鮮市場向けのポテトも生産しています。

Ericさんには現在、人生における二つの優先事項があります。一つは家族であり、妻のYvetteさんと、Lucyさん、Stellaさん、Rubyさんという3人の娘たちです。もう一つは家族の伝統であるポテトの生産を継続することです。「私は毎朝目が覚めると、ポテト業界で働けることに感謝しています。ポテトは大変用途が広く、誰もが必ず何か好きなポテト製品があるということがとてもうれしいのです。」

Grower Profile --- ERIC HALVERSON

DAN CHIN

Dan Chinさんは、カリフォルニアとオレゴンの州境に広がる地域、クラマスフォールのポテト農場の3代目です。1914年に彼の祖父Sam Wongさんが中国本土からアメリカに移住してきました。「おじいさんは、いつもアメリカは夢が叶う国だといっていました。アメリカに来てポテトを栽培することを夢に描いていたようです。」

Wongさんは、最初カリフォルニア州で、次にネバダ州で農業経営を試みましたが失敗しましたが、くじけず夢を追い続けました。Wongさんと息子のGeorgeさんが農業を始めたクラマスフォールの農地を購入した後、1930年に遂に好機をえて、農業経営に成功しました。1999年にDanさんは彼の父親から農業を引き継ぎ、Wong Potatoesに屋号を変え、今日も、ポテトを生産、分類し、パッケージにして出荷しています。彼の父親は現在85歳、いまだに現役でトラック輸送を監督しています。

Danさんは彼の妻Dee Deeさんと4,000エーカーの農地のうち、1,200エーカーの農地でレッド、イエロー、パープル、ホワイト及びフィンガリングポテトなど20種類のポテトを栽培しています。有機栽培のポテトも増え、2003年にはその割合が10%でしたが、現在では75%近いポテトが有機栽培です。彼らは、玉ねぎ、酪農用の良質の干し草、赤・白小麦も栽培しています。Wong Potatoesの銘柄で、生鮮ポテトのパッキング施設を運営し、米国内及び環太平洋の国々に販売しています。

Grower Profile --- DAN CHIN

SID STAUNTON

カリフォルニア州チュールレイクに住むSid Stauntonさんは農家の3代目です。彼と彼の二人の兄弟MarshallさんとEdさんと一緒に5,000エーカーのStaunton Farm営んでいます。ラセットポテト、有機栽培のラセットポテト、クラマスパールポテトやレッドポテトを生産しています。ほか、小麦、大麦、玉ねぎ、アルファルファやペパーミントも生産し、継続可能な農業経営に尽力しています。Sidさんの28歳の息子Marcさんが3年前に農業経営に加わりました。Sidさんの父親Johnさんもまだ現場で栽培に携わっています。

Staunton家の歴史は、1929年にSidさんの祖父が、水鳥が多く集まる湖のほとりの自宅の敷地で作物の栽培を始めたところから始まります。その年の10月Sidさんの祖父は生計を投資家から農業へ転換することを、たった24時間で決断しました。

「もともと投資銀行家になるつもりでした。」Sidさんは説明します。「しかし運命だったのでしょう。屋外にいる自由さや刻々と変わる業務内容に魅力を覚え、家に戻り農業に携わり始めました。愛する家族を養うためにこのライフスタイルを選んだのです。作物を育てる私の息子の情熱は、私が父から引き継いだもの、そのものです。」

Sidさんと彼の妻Tammieさんは結婚して30年。Tammieさんはオレゴン州のトラウトデールで育ちました。今、彼女は農場の経理、全ての損益計算書を管理しています。彼らには3人の子供 Kappieさん、MarcさんとCurtisさん がいます。SidさんとTammieさんは農業経営における成功のカギは、何が正しいか見極めること、信仰に基づいていること、家族を最優先することという意見で一致しています。

Grower Profile --- SID STAUNTON

KEITH LABRIE

Keith LaBrieさんは、米国の最北東部に位置する州の一つ、メイン州アガサでポテト生産を行う家系の3代目です。彼と彼の兄弟Duaneさんは1989年に大学を卒業し、家業の農業を継ぎ、ポテト生産者となりました。彼らは、ポテト栽培についての全てを両親から学びました。2008年に彼らの父親は農業経営から引退しました。しかしKeithさんによると、彼らは、KeithさんとDuaneさんの奥さんや子供たちと一緒に、まだ経営に携わってくれているとのことで、「本当の家族農場」だということです。

LaBrie兄弟は、生鮮ポテトやフライドポテト用のさまざまなポテトを生産しています。しかし1,200エーカーの農地でポテト栽培すると同時に土地の保護にも努めています。LaBrie家は農地のスチュワードシップの栄誉を手にしています。Keithさんは、彼の祖父や父親を信頼し、農地の保全方法を実施し、彼の兄弟にもその重要性を伝えています。「土地は価値のある資源で、次の世代に受け継ぐために管理しなくてはならないのです。」

Keithさんと彼の妻Jocelyneさんには、娘と息子が1人ずついます。「幼いころから、土地との結びつきを強く感じていました。」LaBrieさんは説明します。「家族の伝統である農業を続けることは私にとっても家族にとっても素晴らしい機会だと思っています。」

Grower Profile --- KEITH LABRIE

RANDY & KARLENE HARDY

RandyさんとKarleneさんは高校時代から恋人同士でした。アイダホ州中南部の山間にある人口673人の小さな町、オークレーに生まれ育ち、今もそこに住んでいます。Karleneさんは夫についてこう語っています。「私とデートしていた頃から、彼は農場のことをとても真剣に考えていました。」

1972年6月にRandyさんとKarleneさんは結婚し、300エーカーの農場を持つRandyさんの父親を手伝うために、大学から自宅へ引っ越しました。2カ月後に父親が他界し、Randyさんは農場経営を継ぎました。今日では、Hardy夫妻と息子のBenさんが、2人のフルタイムの従業員と共に、3,000エーカーの農場を保有するHardy Farms, Inc.を運営しています。農場では625エーカーの生鮮ラセット・バーバンク種のポテトと、小麦、大麦、アルファルファ、飼料用トウモロコシを栽培しています。

アイダホの田舎生活では、疲れるということがなかったとKarleneさんは語ります。Hardy夫妻は、息子4人と娘1人を育て、26人の孫に恵まれました。「私たちは家族で働いてきたので、農場への愛情や自然を尊重する気持ち、重労働への感謝を子供や孫たちに伝えることができました。」

Hardy家の食卓にはポテトが欠かせません。好きな料理はフライドポテト、皮付きマッシュポテト、ポテトキャセロール、ポテトロール、そしてSpudnutsと呼ばれるポテトのドーナツです。ポテトを一言で表すとしたら、Hardy夫妻は「使い勝手」と答えるでしょう。

Randyさんは、農場を続けられることが、自身最大の成功の一つと考えています。「とても多くの素晴らしい人々が、このような生活から離れざるを得なかったのを目にしてきました。農場で家族を養うことができ、今でも外で働いて作物を育てる達成感を心から味わうことができるのは、大変幸運だと感じています。ポテト産業が、私の人生を素晴らしいものにしてくれました。」

Randyさんは笑って否定しますが、小学2年生のときに自転車でKarleneさんをひきそうになったのが、最初の出会いだそうです。その9年後、彼が高校の下級生で彼女が上級生のときに、初めて一緒にダンスを踊りました。2012年6月8日、RandyさんとKarleneさんは結婚40周年を祝いました。

Grower Profile --- RANDY & KARLENE HARDY

KLAREN & CHERYL KOOMPIN

環境スチュワードシップ賞を受賞したKoompin Farmsは、1959年に135エーカーの農場として創業し、そのうち30エーカーでポテトの栽培を始めました。今日では14,000エーカーの農場を経営し、3,300エーカーでポテトを栽培しています。3代目となる息子のKamrenさんとKaelさんはすでに日常作業に積極的に参加しており、Koompin家の遺産を継承すべく力を尽くしています。Koompin一家はポテトに情熱を持っています。

2005年、Cheryl Koompinさんは米国ポテト協会の国際食糧支援事業の一環として、米国産ディハイポテトの調理方法をセネガルの人々に教えるために西アフリカを訪れました。現在もCherylさんは米国ポテト協会の活動に積極的に参画し、この分野におけるポテト業界の取り組みの拡大に努めています。

「私たち生産者は、栄養豊富な食料を生産する機会に恵まれています。しかし世界のおよそ半数は、飢餓と貧困のために栄養不良の状態に置かれています。私はアフリカへの旅のおかげで、生計を維持しながら、ポテトに関する個人的な使命を達成するにはどうすべきかを悟りました。複雑なことではありません。私たちは世界に食料を提供することで、地域の生産者経済を活性化させることができるのです。」

Grower Profile --- KLAREN & CHERYL KOOMPIN

ROD LENZ

Rod Lenzさんの3人の兄弟はコロラド州ホルヨークにあるLenz Family Farmsの2代目のポテト生産者です。Rodさんは、リスクに対して報われるという農業のある一面に感銘を受け、ポテト生産者になりました。彼は、「天候、害虫、雑草など、作物にはとても多くの脅威があります。前に進むためには、司令室のような戦略な考え方が必要です。私は、高品質のポテトを育てるためのチャレンジを愛しています」と語っています。とはいえ、彼が農場経営において最も誇らしく思っているのは家族の結束であり、今や3代目も日常の農作業に深く関わるようになっています。

Rodさんは、ポテト生産者がいかに徹底して細かなことや準備に徹底的にこだわらなければならない毎日を送っていることを知れば、多くの人が驚くだろうと考えています。「私にとってもいまだに驚きです。種イモを植えたら、ただ育つのを待つだけではありません。それはたくさんの作業が必要なのです。」

Grower Profile --- ROD LENZ

LARRY ALSUM

ウィスコンシン州の酪農一家の中で育ったLarryさん。Larryさんにとって農業は自然なキャリアの選択肢の一つと思うかもしれませんが、実際は、そうではありませんでした。彼は、大学卒業後公認会計士の道を歩んでいました。

彼の人生の一連の出来事の中で、1981年Larryさんは農業に戻りポテトや玉ねぎをリパックする小規模な会社(Alsum Produce)を共同で設立しました。1989年まで農業のジョイントベンチャーに3年間携わり、1992年750エーカーの農地を有するAlsum Farms, Inc.を創業しました。今日、Alsum Farm & Produce, Inc.は8.1万トン以上のポテトをパッケージにして市場に出しています。農場は1,900エーカーまで拡大し、生鮮ポテトの市場向けに、ラセット、レッド、ゴールド、ホワイト及びフィンガリングポテトなどを栽培しています。

「大学卒業後は公認会計士の道を進んでいましたが、1981年から農場経営に携わるようになりました。1,900エーカーの農場では、ラセット、レッド、ホワイトポテトなどを栽培しています。ウィスコンシン州のポテト・サステナビリティ(持続的可能な)プログラムに参加しており、「生産者として自分が何を、どうするべきか、さらに環境に与える影響についても考えるようになった」と話します。

Alsum Farmはウィスコンシン州の継続可能なポテト栽培プログラムHealthy Grownに携わっています。Larryは、常に簡単なわけではないが、他の方法はないだろうと語ります。「農業を続けていくのであれば、私たちが生産者として下す決断が私たちの農地を超えて環境に複雑に影響するとわかったのです。」「これは素晴らしい学びの機会です。Healthy Grownの一員であることは、生産者として何をすべきか、どうしてそうしたのかを理解するのに助けになります。さらに、私の決断のインパクトが私と一緒に働く人々や環境に影響を与えるのです。

Larryさんと妻のPaulaさんは結婚して37年です。彼らには5人の子供 Timothyさん、Heidiさん、Wendyさん、ChadさんとNoahさんがいます。さらに孫が6人います。子供達のうち3人はそれぞれITマネージャー、マーケティングマネージャー、金融アナリストとして、もう1人はパッキング工場で働いています。一番末っ子はまだ小学生ですが、農地で作業を手伝うのが大好きです。農業と製造業には多くの困難と機会があります。家族が、農業とビジネスの両方に関わっているということはとても面白いことです。

Grower Profile --- LARRY ALSUM