フィッシュボールとは

東南・東アジアの国々(シンガポール、マレーシア、台湾、中国など)にもフィッシュボールはありますが、有名なのはフィリピンの屋台料理の定番としてのフィッシュボールです。魚のすり身をつなぎとなる小麦粉、香辛料などと合わせて、薄い円形にしたものですが、揚げるとボール状に膨らみます。屋台ではこの揚げたてのフィッシュボールに、数種類のソースの中から好みの味を選んでおやつにしたり、食事として、麺と合わせるフィッシュボールヌードルなどが有名です。

商品開発レポート米国産ディハイ(乾燥)ポテトを使ったフィッシュボール

[ 経緯 ]

米国ポテト協会は、フィリピンの屋台フードとして人気の高い、フィッシュボールの品質と生産性の向上を目的として、フィリピン大学ディリマン校の栄養科学科の指揮のもと、6種類の米国産ディハイポテトを使用して、生産量の増加と賞味期限の延長によるコスト効率評価、色、香り、食感、弾力性などの官能評価テストを実施しました。

[ 結果 ]

6種類の米国産ディハイポテトの配合テストの結果、全ての種類でフィッシュボールを作ることができました。その中でも3種類のディハイポテトが、味や見栄えも良く、より低コストで多く生産できることが判明しました。また、一般の製法で作られたフィッシュボールと比べても密度が濃く、食べごたえがあり、味も見た目も良いものができることがわかりました。

味や見栄えが良くなるだけでなく、
賞味期限や生産性も向上するなどさまざまなメリットが表れました。

メリット1

品質の向上

パネリストに参加してもらった試食テストで、通常のフィッシュボールに比べ、米国産ディハイポテトを使用したほうが、食感や色が良く、色むらも少ないという評価が得られました。より味わい深く、食べごたえあるものになっているため、ご飯のおかずにもなり、魚料理の代用食材として使用できるなどの意見が出ました。

メリット2

品質保持期間の延長

米国産ディハイポテトを使用したフィッシュボールは冷凍、冷蔵で4週間まで保管できることが実験結果でわかりました。製造業者は鮮度を求める小売店や屋台のために、今までは生産して直ぐに届ける流通形態をとっていましたが、大量に生産して保管できるようになったことで、流通コストの削減にも寄与することになりました。

メリット3

高い生産性と低い生産コスト

米国産ディハイポテトを配合する場合、ディハイポテトはより多くの水を吸収するため、加水により生産量が増えました。魚5kgを原料に使用した場合、通常のフィッシュボールの生産コストは1個(10g)当たり2.53ペソ(1ペソは約3円)、ディハイポテトを配合した場合は1.62~1.82ペソとなり、1個あたりの生産コストが抑えられるという結果が得られました。

また、ディハイポテトの配合試験を行った結果、総合的な受容性と官能特性からグラウンド・スタンダードポテトフレーク(GSPF)、低浸出(LP/LL)フレーク、グラニュラーポテトフラワー(GPF)の3種類のディハイポテトが最もフィッシュボールに適合することがわかりました。

グラウンド・スタンダード
ポテトフレーク(GSPF)
低浸出(LP/ LL)フレーク
グラニュラー
ポテトフラワー(GPF)

米国産ディハイポテト使用のフィッシュボールレシピ生産比較